File01 黒川伊保子氏(株式会社 感性リサーチ)

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。
「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、世界初の語感分析法サブリミナル・インプレッション導出法を発表。独自の感性分析術が注目を浴び、感性研究の第一人者となる。
脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著作も人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」に出演、NHK教育テレビ「日本語なるほど塾」の講師として起用されるなど、TVやラジオ、雑誌にもたびたび登場。さらに、語感分析法を応用した、名前の恋力を占う携帯コンテンツ「恋音」も好評運営中で、アカデミックからエンタメまで、広く活躍中。

進化・挑戦したいと思ったことはありません(笑)

社員O

進化・挑戦したいと感じたことはありますか?

黒川

実は私、進化・挑戦したいと思ったことはないんです(笑)。「進化」「挑戦」という動詞の主語は全て自分。ある意味興味の対象は自分ですよね。「成功したい」「ステキなキャリアウーマンになりたい」と思っていると、「自分の失敗」=「この世の終わり」になってしまうじゃないですか。例えば、「世界一のコンピュータを作りたい」「お客様に喜んでもらいたい」と興味の対象が自分の外にあると、失敗しても自分はまだまだと思うだけ。恐れる必要がない。だから私は自分に光を当てないですし、それが決して挑戦しても傷つかないコツだと思っています。

社員O

出だしから目から鱗です。でも、個人的にはすごく難しそうに感じますが。

黒川

私も最初は、悩んだりすることもありました。でも、年を重ねるうちに自然に身についてきました。これが腹に落ちてくると、生きるのがすごく楽になる。年を重ねるって素敵なことですよね。

この世の秘密を知りたいという好奇心が原動力に

社員O

では、進化・挑戦しようと思わなかった黒川先生を、自ら会社を持つまでに動かしたものは何だったのでしょうか。

黒川

私には常に興味しかありませんでした。その対象は、「自然界」や「世の中の流行」。大学時代は、「宇宙論」を専攻し、就職の際には「人工知能」が専門でしたが、そのきっかけも「宇宙どうなってるの?」「人工で知能を作るのって面白そう!」といった、この世の秘密を知りたいという興味から。だからそのために仕方なく勉強しました(笑)

社員O

仕方なくですか!

黒川

そう。宇宙を理解するためには数学を知らなくちゃいけない。人工知能の実験をするためにはプログラミングを勉強しなければならなかった。もともとは勉強意欲、勤労意欲ともに僅少で、勉強をして立派になろうと思ったことは一度もないです。でも結果として私はおそらく誰よりも挑戦してきた。その源が好奇心です。だから、挑戦しようなんて深刻に考えない方がいい。何が面白いか、何が好きか、死ぬまでに何が知りたいか。何かこの世の秘密を知って死のうと思ったら、成功する原動力になると思います。

社員O

理想や目標があって、行動を起こしたというわけではないんですね。

黒川

そうです。しかし、結果的に30年前の自分から見ると、今自分がいる場所、やっていることはとても理想的な状態。今では、感性ビジネスの覇者とか第一人者とか呼ばれ、人工知能の学生たちにも日本には黒川伊保子がいるとまで言っていただけるようになりました。しかしそれも、ただ目の前のことをひたむきにやった結果、好奇心からの行動に理想が追いついてきた感じですね。

お金は独りよがりにならないための清き一票!

社員O

そんな中、感性ビジネス(株式会社 感性リサーチ)を立ち上げるきっかけはなんだったのでしょうか?

黒川

好奇心に導かれて努力していると、その研究から色々なことが分かってきました。すると今度は、自分の知った秘密をみんなに教えてあげたいと思うようになったんです。一方、その知識が「独りよがり」なものであってはならないとも思いました。私が知りたいと思ったこの世の秘密も、知りたくない人にまで押し付けてはいけないですよね。その人が知りたいと思い、知って嬉しかったと言う証拠としてお金をいただくことにしようと思い、それを仕事にしたんです。お金は、すなわち、清き一票なんです!

社員O

好奇心から仕事へ、その発想の転換はなかなかできないですね。

黒川

インタビューを読む若い人たちには「好き」を大切にしてほしい。それは決して仕事でなくても良い。「好き」が結果、「仕事」につながっていくから。いっそ、訳も分からずに好きだと思うことをつきつめた方が面白いかもしれません。例えば、「交差点フェチ」とか(笑)。そんな中に意外とこの世の秘密が隠れているんです。

やると決めたら徹底してやります(笑)

社員O

これからさらに挑戦していきたいことはありますか?

黒川

今は社交ダンスに夢中。「真実のダンス」を踊れるようになるのが夢なんです(笑)

社員O

『真実』のと言いますと?

黒川

最近知った感覚なんです。社交ダンスは基本的にはカップルで踊りますが、バランスがとても大切。カップルの遠心力を使って踊るので、3歩のターンで5メートルも移動することもあります。踊っていて、本当に絶妙なバランスが取れた時、一瞬「ふわっ」という無重力になる瞬間があるんです。それは、まさにお互いが羽のような感じ。

社員O

羽のような…ですか。

黒川

そうです。自分の体を相手が通った感じで、それがものすごいエクスタシー(笑)。トップクラスの選手はみんなそれを感じたくて踊っているそうです。タイトルが欲しい訳でもなんでもなく、一曲全部その状態で踊ってみたい。そう思ってみんな世界チャンピオンになっていくんだそうですよ。

社員O

ステキですね。

黒川

私も一曲全部その状態で踊れるよう、これからさらにダンスに励むつもりです。具体的には、種目別にイギリスとドイツに1年に1ヶ月ずつでもダンス留学したいと思っています(笑)。

社員O

黒川先生は、様々な肩書をお持ちですが、それは分野に囚われず、好奇心の赴くままに、次々その可能性を広げられてきた結果なんですね。そして、始まりは好奇心でも、やると決めたら徹底してやる。これこそが黒川流。そのうち、ダンスもお仕事になってしまうかもしれませんね(笑)

2012.4 掲載

えんぎもん 10 sweet 万年筆 (ウォーターマン ブルー・ブラック)

「私のサインは全てこの万年筆です。」と紹介していただいたのは、「10 sweet diamond」ならぬ「10 sweet 万年筆」として旦那さまから、結婚10周年に贈られた万年筆。ウォーターマンは、アメリカで毛細管現象を応用した万年筆を最初に開発したメーカーで、中でもブルー・ブラックは、消えにくいインクで、かつては公文書にも使用された「インクの王道」とも言われています。
万年筆コレクターの旦那さまに、結婚記念として人生の後半を共に歩む筆記用具がほしいとお願いしたところ、「女性ならばこのサイズ、このペン先…。インクは断然ブルーブラック。しかもウォーターマンのじゃなきゃ」と選んでいただいたというこだわりの逸品です。黒川先生が普通の会社員だった35歳のときにプレゼントされたこの万年筆が、その後、数々の本の著者になった今、著書にサインをするときに欠かせないものになっているというお話を聞くと、運命的なものを感じずにはいられません。
「これまでサインをしてきて、このインクのことを指摘した人は、二人だけ。どちらも、知的なイケメンでした(笑)。『あなたの筆跡によく似合う色だ。いいチョイスですね』って、筆跡だけでわかるセンスがステキよね。」

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